関節リウマチとは
関節に炎症が起こって痛みや腫れが生じ、関節や骨が壊れて変形していく病気です。
【関節の仕組みと関節リウマチの進行】
関節は、「骨」「軟骨」「滑膜」「関節包」などで構成されています。
関節リウマチの初期症状
初期症状は軽く、見落としやすいので注意が必要です。
- 朝起きたときに関節がこわばり、15分以上続く
- 37℃くらいの微熱やだるさが2週間以上続く
- 関節に柔らかい腫れや痛みがある
- 指や手首のような小さな関節が腫れる
- 症状が全身の関節に左右対称に起こる
- 手のエックス線写真に特有の変化が見られる
関節リウマチが疑われたら
できるだけ早く治療を始めることが大切です。
当院での治療
年々進歩しているのが薬物療法。早く治療を始めるほど効果が高まります。
【当院の治療方針】
「薬物療法」、「リハビリテーション療法」、「手術療法」、「ケア」を治療の柱としています。運動することを避けがちですが、炎症が落ち着いたら、リハビリで筋力や関節の動きを維持することが大切です。
【こんなお薬を使います】
■非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)
速やかに痛みを抑える効果があり、治療のなかでも急性期の強い痛みを抑えるのに有効。
■副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)
主に重症の患者さまに有効。しかし長期の使用は、重い副作用や別の病気を引き起こすことも。
■抗リウマチ薬(DMARD)
免疫機能の異常を調整して、関節破壊の進行を抑える。
診断されたら3ヶ月以内の使用開始を。
新しいお薬、生物学的製剤とは?
生物がつくり出すタンパク質などからつくられた薬のこと。関節リウマチの炎症にかかわる物質(サイトカイン)の働きを抑え、痛み・腫れの改善や、関節の変形・破壊を止める効果が期待できる。
TNF-α…サイトカインのうちのひとつ。関節リウマチの場合、何らかの理由でTNF-αが過剰に作られ、これが炎症反応を引き起こす。
【日常生活で気をつけること】
- 安静にする
- 睡眠を充分にとり、安静にする時間をつくりましょう。精神的なイライラも禁物です。
- 冷えに注意する
- 冷えると痛みが起こりやすく、関節を動かしにくくなります。
上着や手袋などで上手に保温しましょう。 - 喫煙を控える
- 喫煙は関節リウマチの発症リスクを高めるだけでなく、炎症を悪化させる要因にもなります。
正しい理解と早期発見で悪化を防ぎましょう
放っておくと次々に関節が不自由になる関節リウマチは、不治の病といわれてきました。しかし近年、分子生物学の進歩により新薬が開発され、なかでも生物学的製剤は、注射により症状を抑えるだけでなく、関節破壊抑制効果も証明されています。お困りの方、不安な方は、お気軽にご相談ください。
残念ながら、関節破壊が進んでしまった方には、人工関節、関節形成術などの手術で対処します。