近年、がんは医療技術の進歩により早期発見、早期治療で治る病気になっています。早期がんであれば大きな手術をせずに、内視鏡を使った手術で取除くことも可能です。健康と安心のために定期的な内視鏡検査をお勧めします。
経鼻内視鏡検査
経鼻内視鏡とは、「鼻から入れる胃カメラ」のことです。
従来の口から入れる胃カメラは、10ミリ前後もある内視鏡を挿入していましたが、経鼻内視鏡の先端部は5ミリと細く、鼻から咽頭、食道、胃へとスムーズに通過することができます。
経鼻内視鏡検査の特徴
- 吐き気が少ない
- のどが詰まる感じがしない
- 検査中に会話ができる
- 鎮静剤や鎮痙剤が不要で身体にやさしい
この部分にスコープは触れません
この部分にスコープが触れると、吐き気を感じます
下部消化器内視検査
一般に「大腸カメラ」と呼ばれる検査です。
大腸を観察するために肛門から内視鏡を挿入し、大腸に発生した炎症・ポリープ・がんなどの診断を行います。
このような方に大腸検査をお勧めします。
- 健康診断で便潜血反応検査が陽性だった。
- 血便が出る。
- 便が以前より細くなった。
- 便秘と下痢を繰り返す。
- 大腸ポリープを切除したことがある。
- 大腸がんの手術をしたことがある。
一般的な大腸がん検診は、便潜血反応検査が行われますが、陽性となった場合は大腸内視鏡検査を強くお勧めします。大腸がんはある程度進行してしまうまで、自覚症状がありません。早期に大腸がんを発見でき、がん化する恐れのあるポリープを内視鏡で切除することにより、がんを未然に予防することができます。大腸がんの検査として、大腸内視鏡検査は大変有効です。
内視鏡による治療法
ポリペクトミー
高周波スネアと呼ばれるループを、隆起性病変の根元にかけ、しばり、通電させて切除します。
1.ループを目的の組織にかける
2.ループをしぼる
3.通電させて切除
粘膜切除術
隆起していない病変や、表面型の腫瘍の切除を行います。粘膜下層に生理食塩水などを注入し、病巣を固有筋層から浮かせて高周波を用いて切り取る方法です。
1.生理食塩水を注入する
2.ループを反転してかける
3.通電させて切除し、組織を回収する
内視鏡検査Q&A
- 病院で出されている薬を服用していますが、検査の日に薬を飲んでもいいの?
- 服用している薬については、担当医にご相談ください。服用の中止や当日の服用方法についてアドバイスをさせていただきます。
- 検査にはどれくらいの時間がかかるの?
- 胃内視鏡検査については喉の麻酔も含め約10分。大腸内視鏡検査は約30分です。ポリープなどを切除する場合はさらに検査時間をいただきます。
- 検査当日は、運転しても大丈夫?
- 検査に際し、鎮静剤などの薬物を使用する場合は、目が見えづらくなることがあります。当日は公共交通機関をご利用ください。
- 検査後は運動をしても大丈夫?
- 激しい運動は避けてください。
- 検査後、食事はしても良い?
- 検査内容により、食事制限がある場合もあります。検査終了時に説明させていただきます。